現代地方譚カテゴリー: 現代地方譚7

甫木元空

現代地方譚7ではレジデント・アーティストのリサーチに同行し、映像を記録している。

イ・ラン

16 歳よりイラストレーター、漫画家としてキャリアを開始。その後、大学で映画の演出を専攻し、2006年に音楽活動をスタート。日記代わりに録りためた自作曲が話題となり、2011年にシングル「よく知らないくせに」でデビュー。翌夏にファースト・アルバム『ヨンヨンスン』を、2016年には自身が主催したイベント『新曲の部屋』コンピレーションと、翌2017 年の第14 回韓国大衆音楽賞最優秀フォーク楽曲賞を受賞したセカンド・アルバム『神様ごっこ』をリリースして大きな注目を浴びる。2016年には柴田聡子と「イ・ランと柴田聡子のランナウェイ・ツアー」を成功させ、(今後ふたりの共作リリースも予定)、2019年には「続 イ・ランと柴田聡子のランナウェイ・ツアー」も敢行。最新作として2018年にフルバンドで臨んだ東京公演を収録したライブ・アルバム『クロミョン ~ Lang Lee Live in Tokyo 2018 ~』をリリースしている。

内藤裕敬

現代的演劇の基礎を土台として、常に現代を俯瞰した作品には定評があり、劇団外での作・演出も多数。世界的ピアニスト・仲道郁代氏とのコラボ企画は20年に渡り全国で展開。2005年『調教師』黒木メイサ他、2008年『4×4』倉科カナ他、2014年『ハルナガニ』薬師丸ひろ子他、2016年『魔術』中山美穂他、演出の手腕を買われ、テレビで活躍する女優の最初の演劇作品を演出する機会も多い。
2015年より母校でもある大阪芸術大学芸術学部舞台芸術学科教授に就任し、特別公演の演出を担当。咲くやこの花高校やピッコロ演劇学校講師を務めるなど、後進の指導も積極的に行っている。
第2回テアトロ・イン・キャビン戯曲賞、第3回OMS戯曲賞、第7回読売演劇大賞・優秀演出家賞、文化庁芸術祭・優秀賞など、受賞歴多数。

中山晃子



2012 東京造形大学 造形学部美術学科絵画専攻領域 卒業
2014 東京造形大学 造形学部美術研究領域 修士課程修了


主なソロパフォーマンス
2019 MUTEK Montreal / Agora Hydro-Québec, モントリオール
2019 Compass – Navigating the future / アルスエレクトロニカ DEEP SPACE 8K, リンツ
2019 もの・かたり – 手繰りよせることばを超えて – / 代官山ヒルサイドフォーラム
2019 DAO XUAN FESTIVAL / ベトナム
2018 LAB30 Media Art Festival / Kulturhaus Abraxas アウクスブルグ ドイツ
2018 Biennale Nemo / LE CENTQUATRE-PARIS パリ
2017 EXTREAM QUIET VILLAGE 装飾は流転する / 東京都庭園美術館
2017 DLECTRICITY ART + LIGHT FESTIVAL / Cathedral Church of St. Paul, デトロイト

佐々瞬

【展覧会歴】
・個展
2017 “あなたに話したいことがある”, Gallery TURNAROUND, 仙台
2016 “うたが聞こえてくる暮らし(旅先と指先)”, ARTZONE, 京都
2015 “とある発掘とリポート、その準備”, 黄金町エリアマネジメントセンター Site-Aギャラリー, 神奈川
2015 “とある日のこと(箱を受け取る)”, Alainistheonlyone, 東京
2014 “彼らとの対話(仮)” blanClass, 神奈川
2013 “催眠術/話の行方”, HIGURE 17-15 cas, 東京
2011 “それについての話,それらの行方”, blanClass, 神奈川
2009 “それについて”,TAKE NINAGAWA,東京
2007 “All as other”, Gallery K, 東京
2006 “Undulation”, BankART, 神奈川

 

・グループ展
2019 “AVAT x GalleryTurnaround國際交流展_宮城藝術的奇異點” 福利社, 台北
2016 “六本木クロッシング2016”, 森美術館, 東京
2014 “アラフドアートアニュアル2014”, 土湯,福島
2013 “Omnilogue: Your Voice is Mine”, シンガポール国立大学美術館, シンガポール
2012 “大邱フォトビエンナーレ2012”, 大邱芸術発展所, 韓国
2012 “MOTアニュアル2012”, 東京都現代美術館, 東京
2010 “東京造形大学絵画棟クロージング展「camaboco」”, 東京造形大学, 東京
2009 “ドピカーン観音寺2009”, 観音寺 香川
2009 “ZOKEI展”, 東京造形大学, 東京
2008 “日本コラージュ”, Gallery K, 東京
2007 “街と美術展”, キラクカン, 香川
2006 “タマニカイ4”, 霊下道場, 宮城

 

・パフォーマンス
2019 “ある家の行方” blanClass 神奈川
2018 中里広太展「見たい!聴きたい!覗きたい!」出演 Gallery TURNAROUND, 仙台
2015 “それら について話すこと”, blanClass, 神奈川
2014 “彼らとの対話(仮)” blanClass, 神奈川
2013 “今から共有する場所と時間の有効な使い方への投票/あるパフォーマンスについての
投票/20の選択肢”, blanClass, 神奈川
2012 “恋人のための催眠術/戦争経験について書かれた手記(ケー坊の半生記)”,blanClass, 神奈川
2012 “それらの日々をへて、あの日がやってくる”, blanClass, 神奈川
2012 “ある時間、彼らの話”, blanClass(新・港村), 神奈川

今井麗

 

2004 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業
2012 シェル美術賞 本江邦夫審査員奨励賞受賞

 

主な個展
2017 The Steak House DOSKOI(東京・巣鴨)
NICHE GALLERY(東京・銀座)
2018 nidi gallery(東京・渋谷)
2019〈LOVERS2018〉 XYZ Collective (巣鴨)

 

主なグループ展
2014 〈シェル美術賞 アーティストセレクション2014〉国立新美術館(東京・六本木)
2018 〈CONDO 2018〉Union Pacific(イギリス・ロンドン)
2018 〈NADA 2018〉 XYZ Collective (マイアミ)

工藤夏海

描く。今までに見たり聞いたり触ったり作ったりしてきたことが身体に蓄積している。それはどんな人にもあてはまることだ。手が必要なものを知っているから、頭が邪魔しないようにする。引かれた1本の線に含まれているものの多さよ!

人形劇。人と人の間に人形がいることで発生する時空間。間違いをなぞること。はじまりも終りもあやふや、ずっと続く今の中で動き話す人形と私たち!

現代地方譚7

葦原から想像する、食の関係

今年も須崎に様々なジャンルのアーティストが集い、地域に触れながら創造的な活動を行なっています。このアートプロジェクトは2014年より回を重ね、一昨年の現代地方譚5からは市内をを流れる河川、新荘川に茂る葦をシンボルとしてこの町の過去と今とを相対し見つめ、将来を想像しようという理念の下に続けられています。

昨年は町を一望する高台にある休憩所が住民との共同作業で再生され、作品のひとつとなり、災害時には避難場所にもなるスポットがアートによってより多くの人に注目される事になりました。

今回のテーマは「食べる」。須崎は豊かな自然に恵まれた食材の宝庫であることはよく知られています。訪れた誰もが驚く須崎の食材とユニークな食文化を足掛かりとしながら、美味しさや新鮮さだけではない、その周縁との関係性に着目したいと思います。例えば親と子との、家庭での関係性。地域の、町のコミュニティの中での関係性。経済活動が発達する中で私たちが得たもの、そして失われたもの…。

今年7月より参加アーティスト達が順次やって来ています。一家で須崎を訪れ、都会では味わえない大おきゃくを体験したり、暮らしの中で知らず知らずの内に共生している外来植物を調査したり、路上で即興の人形劇を行ないコミュニケーションを図ったり。またはワークショップを行うなど、それぞれがユニークなアプローチで須崎との関係性を育みました。彼らの体験がどんな形となって現れるのか、表現手法は各アーティストの手に委ねられますが、作品を鑑賞した私達自身が食を通じ身近な相手を想い、暮らしを見つめ、町を考える。そんな思考の連鎖のきっかけとなることを期待しています。

食の間 タベルノアイダ

食にまつわる関係性を考える。

生産者と消費者との間。

調理する人と食べる人、食卓の向こうに座る誰かとの間。

食材と、それを育む自然と私たち。

そして食事にかける時間…。

―推察

生まれたばかりの乳児にとって母親との間は限りなく近く、

母はまさしく子と共に生き、子を生かしている。

乳離れし、母親以外の他者との食の関係が生まれ、

共に過ごす時間が、空間が増していく。

それが家族となり、やがて社会となるのではないか。

関わる人が増えるごとに私たちは食卓を継ぎ拡げ、

大きなうつわに料理を盛り付け、相手をもてなし、語らい、

時に議論をかわし私たちは様々な間を拡げ、豊かな文化を育んだ。

―今、その間が変容している。

利便性、生産性、効率を追い続けた私たちは量的な豊かさを謳歌した。

その一方で均質なビニールのパッケージに覆われた

暮らしの中で私たちは常に時間に追われ、語らいの言葉を忘れ、

四季の移ろいに気づかず、地域固有の豊かな自然を失いつつある。

コミュニケーションと多様性の欠如。

これはすなわち文化の衰退と言える。

―そしてこれからを考える

わたしたちは生きるために必要不可欠な、食べる”モノ”と”コト”との間、

「たべるのあいだ」に再び思いを巡らせながら、

これからの地域文化を築きたい。