「アート」を端緒に、まちの魅力と課題を探ります。
今、このまちでは図書館などをはじめとする公共施設の刷新をはじめ、次世代に向けた様々な取り組みが進められる一方、昔からの建物は老朽化に、昔から暮らす住民は高齢化に直面し、これまで通りの生活の維持が次第に困難になりつつあります。見慣れた街並みは、今後数年でさらに変わっていくことでしょう。街並みや景観はそのまちの価値であり、記憶であり、アイデンティティです。新しさや便利さ、合理性だけを追い求めていては、地域の魅力は損なわれてしまいかねません。このまちでどのように暮らしを営み、何を、どのように次世代へ伝えていくのか?毎年日本の各地から渡り鳥のようにやって来るアーティストたちの視点をよりどころに、これからの、このまちのありかたを語り合う場となる展覧会を目指しています。
「鳥観と微視」
「なんちゃあない」いつからかそんな言葉が当たり前になっていた。
現代地方譚。
アーティストは1年の限られた時間を須崎で滞在する。
ある者は歩き、ある者は溶け込み、
ある者は語らい、ある者は歌う。
彼らが見た・感じた須崎は、
アートとなってこの世に誕生する。
「なんちゃあないことはない」のだと、
作品は雄弁に語ってくれる。
そして思い思いに須崎を表現した彼らは、
彼らの日常に戻っていく。
また来るかもしれないしもう来ないかもしれない、
それはまるで、渡り鳥のように。
渡り鳥は知っている。
海の蒼さも、山の碧さも、日々繰り返される生業も、
癖の強いイントネーションも、
舌を焼く鍋焼きラーメンも。
それは自分たちの日常の外に在るもので、
全くもって刺激的なのだ。
渡り鳥たちは、思い思いに須崎を見ている。
嬉々として見入っている。
それは遥か上空から眼下を眺めるように。
考えもつかない角度から。
それは鼻先に熟れる果実を啄ばむように。
思いもよらない距離感で。
想像もできない視座の片鱗に触れたとき、
あなたもきっと気がつく。
目の前の当たり前は、誰かの特別なのかもしれない。
という事実に。
「なんちゃあない」ことはない、
「須崎には在る」のだということに。
(すさき芸術のまちづくり実行委員会)
テーマ | 現代地方譚10 鳥瞰と微視(ちょうかんとびし) |
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展覧会期 | 2023年2月4日(土)~2月26日(日) |
会場 | すさきまちかどギャラリー/旧三浦邸、ほか |
時間 | 10:00~17:00 月曜日休館 |
主催 | すさき芸術のまちづくり実行委員会 |
共催 | すさきまちかどギャラリー/旧三浦邸・須崎市 |
お問い合わせ先 | すさきまちかどギャラリー/旧三浦邸(TEL.050-8803-8668・E-mail machikado.gallery@gmail.com) |