インスタレーションテキスタイル絵画Artist in residence
プロフィール
1986年広島県呉市(旧・安芸郡)音戸町生まれ。2010年アラスカ大学フェアバンクス校リベラル・アーツ・カレッジ美術学科卒業。在学中はネイティブ・アート、絵画、彫刻を学ぶ。2017年東北芸術工科大学大学院修士課程修了。国内外各地の捕鯨、漁労、海の民俗文化を尋ね、リトルプレスや刺繍、造形作品として発表する。リトルプレス『ありふれたくじら』主宰。最近の展示に「開館20周年展 ナラティブの修復」(せんだいメディアテーク、2021)、「VOCA展2022」(上野の森美術館)など。2022年〜2023年、文化庁「新進芸術家海外研修制度」によりノルウェーに滞在。
アラスカの先住民のものづくりを学んだり、オスロ大学の海洋文化研究チームの一員としてノルウェーに滞在したり、美術家として独自の経歴を持つ是恒さんの制作のモチベーションは生活に根差し培われた民族文化への興味にあるようです。
特に鯨と人間社会との関わり――捕鯨技術の変遷、鯨肉・油の資源活用から工芸など生活への応用、さらに信仰や儀式、民話などに残る人との精神的な繋がりには、今日語られる鯨のイメージはある一面に過ぎず、様々な語り口がある事を、リサーチを通じて丁寧に掘り起こし、ドローイング、刺繍、立体、冊子など、まさに様々なアプローチで私たちに紹介してくれます。
このことは「アートとは?」だとか、「地域の豊かさとは?」という事柄にも通底するのかもしれません。高知を初めて訪れた是恒さんは度々須崎から足を延ばし、鯨に所縁の深い室戸や足摺へと精力的に調査へ出かけます。常に広い視野で対象を捉える彼女の「動植物にとっては市町村の境なんてないのにね。」という言葉が印象的です。
このアーティストの作品
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