アーティスト
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今井麗(いまい うらら)
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DATA
●作品名
今井 麗
●ジャンル
絵画
●イベント
AIR アーティスト・イン・レジデンス須崎 成果発表展示
●会場
すさきまちかどギャラリー/旧三浦邸
会場マップ
パンの上のバターが今にも蕩けるような熱さを感じさせるトーストやみずみずしさを湛えた果物を描いた油彩画は、作者の名前を知らずとも本の挿絵や雑誌の表紙などで見覚えがあるかもしれません。
今井 麗「KAKI」2019年、キャンバスに油彩
生活のごく身近にあるモチーフを軽やかな筆致で魅力的に描く今井 麗は今注目される画家であるとともに3人の子供たちの母親でもあります。今井の作品は彼女の生活と密接に関わっています。普段子育てと家事をしながら制作する今井はアトリエを構えず、食卓やキッチンの片隅でわずかな時間を見つけてはその時すぐ傍らにあるモチーフを一息に描くスタイルを確立することで創作活動を続けています。日常生活で時間に追われながらも好きなこと、やりたいことをあきらめず、両立している姿勢が現れた作風に多くのファンがついているのではないでしょうか。
昨年7月に一家五人で今井は須崎を訪れました。ある日は皿鉢料理を囲んで地元の人と大人数で食事を共にしたり、またある日は一家揃って市外へと足を伸ばし、江戸期から伝わる芝居絵を軒先に並べるユニークな祭りを訪ねたり、豊かな自然を満喫し、普段は味わえない日々を子供たちとのんびりと過ごしながら、一足早い夏休みを楽しみました。
今井は須崎から持ち帰った大きなにんにくに、子供たちのおもちゃであろうコアラのぬいぐるみを座らせ絵を描きました。須崎での滞在中、今井は普段口癖のようになっていた「早く!」「急いで!」という言葉を発する事がなかったと言います。日常に戻ってから描かれたこの作品にも須崎で過ごしたひと時のゆとりある生活の記憶が立ち現れています。
今井 麗「にんにくのこしかけ」2019年、キャンバスに油彩